ニッポン・天気晴朗なれど波高し

2018GWに「アゴラ」に投稿・掲載されました。せっかくだから時事ネタ系ブログでも始めようかと。立ち位置は右というよりは左です。

Nスペ/マネーワールド2「孫正義氏は無責任!?」を見る。超お手軽番組か笑。番組内容が一番無責任かも。

10/7オンエアーのNHKスペシャル「マネーワールド2/資本主義の未来〜仕事がなくなる!?」を見ました。資本主義の未来論として、AIとかロボット等々が雇用を奪うというお話です。

 

孫正義氏出演で、孫氏が荒井紀子氏(国立情報学研究所教授)から「資本家としてソレを言うのは無責任でしょう」と言われ、ネットでも話題になっている例の番組です。

 

流れとしては孫氏の「新しい技術で喪われる雇用もあるし、新しく生まれる雇用もある。新しい時代に前向きな気持ちで取り組む必要がある」というようなコメントでの新井氏発言でした。気持ちの問題ではないのでは、ということで。至極まっとうな指摘かと。

 

以下、感想など。

 

孫氏の「新しい技術で喪われる雇用もあるし、新しく生まれる雇用もある。」というのはその通りだと思います。ただ、問題はソノ差し引きで、喪われる雇用と新しく生まれる雇用のどちらが多いかということだと思います。みんなソレを考えている訳でして。

 

そういう意味では、孫氏の発言は無責任というかテキトーというか、まあ、政治家的と言いいますか。差し引きのプラスマイナスを言わなきゃねぇ。


結局、AIとかロボットとか今話題のRPAとかで、喪われる雇用の方が多い訳でしよう、多分。


それは良い悪いという話しのレベルじゃなく避けがたい流れとも思え、かつ孫氏の責任とは思いませんが、上記発言はやはり無責任ですかね。

 

根本的には、そもそも産業構造が新しい技術と相まって激変してて、かつて高収益分野が製造業等の労働集約型であったのは、遥か二十世紀のロマンと化し、いまは開発とか知財とか高収益分野が非労働集約型に移行してしまって。

 

ちょっと前の話で言えば、アップルがどんなイノベーションあふれるモノづくりをしたって、所詮、ファブレスであって。製造は国際水平分業で海外へ。そこにさらにロボットやらAIやら……現状、先進諸国での中間層復活なんて、かなりヤバイことになってる。だからこその、トランプ現象な訳で。

 

で、番組的にはソリューション例として、BIをあげてました。この辺が番組的にもいい加減というか、ありきたりというか。新井氏とかも言ってたように、だからこそ再分配が大切な訳で、BIってのはその一手法にすぎません。で、番組的マトメとしてはBIも予算が大変等々とかで。

 

う~ん。テキトーだな、ホント。

BIでもだしとくか、的な感じで。

 

再分配って、本質の本質的には、社会に存在する富を再配分する訳で、ソコにあるものを再配分するだけですから、本来「足りない」訳はないはずでして。そういう議論も必要じゃないでしょうか。

 

社会システム論をしてるのか、政治論をしているのか。なんかゴチャゴチャなんですよね。

 

BIもこんないい加減に紹介するなら、一回BIだけで専門番組やった方がいいかもです。たとえば、所得税累進強化で、国民全員に年百万円配るとして。コレって、表面的には国民全員に年百万円配ってますが、増税される人は年百万にはならないです。

 

税は負の給付。給付は負の税。社会システムとしてフラットに給付するBIのどこに優位性があるのか等々、それだけで番組ができそうな気がします。


あと、もう少し広げて考えると再分配って、突き詰めて言えば所得と労働が分離していくという要素もあると思いますし。それってBIだけの問題じゃない。結局、そういうシステムを選ぶしかないのか、という話しの気もします。


なんか個人的には、もし未来の職が圧倒的に減っていくとすれば、最終的には労働と所得って、いまより分離傾向になっていくしかない気も。そういう社会システムの構造というか、もう少し大きな話しをしてもいいんじゃないでしょうか。

  

番組として仕事がなくなる!?と銘打ってる訳ですから、その結果としての労働と所得が完全には紐付かない世界とか、そういう未来論をしてもいいんじゃないかと。それがBIという賞味期限ギリギリのネタに流してハイ、出来上がりとはねぇ、、どんなもんでしょうか。


なんつうか…そこでBIがでてくるのは筋としては、あっているとは思うのですがもう少し説明・考察があってもなぁぁ、と。


まとめとして。

 

AI・ロボット・喪われる雇用・孫氏・そしてBI・・・・あまりに、お手軽番組って感じがしてしまうのでした。 


なんかねぇぇ、頭のいい構成者が、ま、こんなもんだろ、という感じでつくってる感がかなりするんですよね。