ニッポン・天気晴朗なれど波高し

2018GWに「アゴラ」に投稿・掲載されました。せっかくだから時事ネタ系ブログでも始めようかと。立ち位置は右というよりは左です。

<忖度>という言葉にみる日本社会の退行

GW明けには「森友文書改竄」問題の財務省調査が公表されるとも言われています。どんな内容か、ちょっと楽しみですね。今回はこの問題に関する雑感などです。

 

最近よく言われていますが、たしかにこの問題、特に「忖度」の概念は外国人には理解できないと思います。まあ、日本人にとっても充分に理解し難いですけどね。

 

以前、岸田文雄政調会長が、大意として『開発途上国ならいざ知らず、日本でこんなコトが起きるとは』というような発言をしていました。「まあ、その通りだなぁ」と深く同感しつつ「現役の政治家がソレを言っちゃ終わりでしょ」という徒労感もハンパなく感じました。なんと言いますか、「日本ってホントに先進国なの?」みたいな感じでしょうか。

 

たとえば、こんなことを考える訳です。国際的な標準モデルの組織体、つまり議論があって、透明性があり、指示命令と責任が体系づけられた組織に対して・・・忖度で動く組織は競争優位性があるのか・・・

 

・・・ある訳ないですよね、やはり。どう考えても。

 

ただ、いかに日本人とはいえ、そんなことは分かっていた訳でして。たしかに日本人は自分も含めて「忖度」でうごく部分があるとは思うのですが、しかしながら「ソレを表立っていうのはあまりに気恥ずかしいでしょ」みたいな感覚があったような。言い換えれば、気概というか矜持というか、そんな感覚です。だからこそ、「忖度」という言葉はあまり陽の目を見ず、死語化していた訳でして。

 

それがいまや、新聞でもテレビでも「忖度」という言葉が氾濫しています。やはり、なにか大きなものが決壊してしまったのかもしれませんね。別視点で言えば「見える化が進行していて大変結構」なのかもしれませんが。

 

だから「忖度でやる訳がない、官邸の指示があったはずだ」という反政権系の人たちは、ある種、「日本を信じている」人たちだと思います。私も、本来、一愛国者として同調したいところですが、正直、そこまで日本を信じる自信も最近はなくなってきました。

 

ここから雑感パート2です。完全憶測&ヨタ話系と自分の現状の「日本を信じられるレベル」についてといいますか。

 

3月2日の朝日新聞報道は、当初、財務省の内部リークかと思いましたが、現在では大阪地検のリークではと思っています。今回の件でひとつ驚いたのは、官邸が文書改竄を認めるまでが異常に早かったことです。

 

ネットでは「どうせ朝日のデマ」「また朝日の誤報、これで朝日もオシマイ」説が飛び交うなか約一週間で、官邸が文書改竄を認めたのですから。官邸はリーク元の特定と確度に関して情報収集していたと思われ、地検リークでは逃げ切れないと読んだのかもしれませんね。

 

憶測その2。これは強力デマ系。「朝日の報道を受けて国交省が自分たちの持っている文書をチェックして、官邸と財務省に改竄を連絡」も眉唾ものの気がします。「朝日の報道を受けて」じゃなくて、「前から分かっていて、官邸と情報共有してたんじゃないの」という気がしてしまって。これがスピード認定の根本理由だと思っているのですが。


あれだけ騒がれていて、国交省も普通、気がついているんじゃないですかね。前から知ってはいたが、あえて小芝居してみたと。


また、財務省国交省に同省保有文書の改竄依頼をしていたという報道もありましたし、官邸はそのへんの動きを事前に把握していた気がします。つまり今回の件が財務省の単独忖度犯行だとしても官邸は事前に把握していたのではないでしょうか。

 

根も葉もない憶測を書きつらねましたが、要はなにが言いたいかというと「その程度には、日本政府のガバナンスも効いているだろう」という個人的願望なのでした。これが現状の自分の「日本を信じる」レベルといいますか。

 

ただ野党も攻め口を考慮する必要はあると思います。「忖度された側の責任」なんて立証できないですから。「忖度」って、それだけ強力なポイズンなのだと思います、組織にとって。現政権にとっては<最終兵器>かもしれませんが。

 

【●対処療法】文書改竄に関して言えば、まず公文書管理法に罰則規定を設ける。電子文書化を徹底して、修正ログ等の管理を徹底するなどだと思います。